誹謗中傷が話題にあがるたびに、星新一の『月の光』を思い出す。
言葉など人間にはいらない。言葉がどれほど愛情を薄めているだろうか。
星新一著『ボッコちゃん』の「月の光」より
人びとは言葉なくして得た愛情を、必ず言葉によって失っている。
初めて出会ったとき、目が合って、お互いにっこりして、
人が幸せになるのには、それで十分なのに、
言葉によってみんなの笑顔がなくなっていく。
忘れられる出来事であっても、人は言葉で攻撃し続け、言葉によって忘れることをしない。
その言葉は心に一生存在し続けるから、攻撃された人も一生傷つく。
私は赤ちゃんが好き。彼らに罪はないと思う。
ただ、今はみんなに幸せを与えるしかできない赤ちゃんを見ると、
そのうち人を言葉で傷つけるようになるのかなと思えて虚しくなる。
「なんであんなこと言ったんだろう。あんなこと言わなければよかった。」
どうせそう思うんだから、その感情をぐっと抑えて、
相手が自分に向かって笑顔で笑っている姿を想像しよう。
そうしたらその人は自分が傷つけるべき人ではなく、
相手に笑顔でいて欲しい存在だと思えるんじゃないかな?
自分もこんな綺麗事を言いながら、「難しいときもあるよね」って思ったりもする。
だけどこんなことをふとした瞬間に思い出せると、
もう少し人を幸せにできるんかなと思う。
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