授業は、生き物だ

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ゆっきー

1995年生。岩手県出身。大学では小学校英語教育を専攻。大学在学中にネパールで1年間インターンシップを経験。現在は、岩手県の高校で英語教員として日々奮闘中。趣味:筋トレ、動画編集、youtube研究

9月に入り、私の住む地域は朝晩がかなり冷え込むようになってきました。これから極寒の冬を乗り越えなければならないと思うと早くも憂鬱です。

9月と言えば、教育系の学生の一大イベント、教育実習があります。SNSを見ると教員実習生の喜怒哀楽がストレートに書かれていて、数年前の教育実習が蘇りました。

「もっと、授業壊していいよ。」

大学3年生の頃、小学校に教育実習に行った時の話です。一番初めは算数の授業でした。倍数について教える授業だったと記憶しています。

私は入念に授業計画を立てました。
生徒の発言とその応答、発問の内容とタイミング、板書計画、タイムマネジメント・・・。大学で学んだ授業づくりの知識を全て生かして綿密な計画を立てました。

授業は私の立てた計画どおりに進行し、最後まで難なく終了。私には及第点は取れたという自負がありました。

授業が終了し、指導教員の元へ行き、どんなお褒めの言葉が待っているのだろうとワクワクしていると、意外な言葉をかけられました。

「一見すると、上手くいった授業に見えるけれど、子供たちは考えていただろうか。
ただ考えるだけじゃなくて脳に汗をかくくらい考えていたと思う?もっと壊していいよ。授業を。
脳に汗かくくらい考える授業、次は楽しみにしているよ。」

授業は生き物だと知った

このアドバイスは私の授業に対する考え方を変えてくれました。
「授業は生き物だ」とよく現場の先生方は言いますが、本当にその通りだなと思います。
高校で教えるようになってから、その言葉を実感することがさらに多くなりました。

授業は数えきれない変数で満ちています。同じ内容でもクラスによっても異なるし、それだけでなく曜日や時間帯、宿題の有無、座席の変化などによっても授業は全く違ったものになります。

最後に、「授業は生き物だな」と身を持って感じた出来事をシェアさせてください。

”17秒の水”のありがたみを知る授業

私は、現在高校3年生の英語の授業を持っています。今扱っている単元のタイトルは「Running Out of Water」。世界の水不足問題がテーマです。

私は教員になる前、ネパールで家から何十分も歩いた水場まで毎日通い、重い水を運び上げる生活をしていました。水の大切さを身を以て体験していたため、4月当初からこの単元はぜひ生徒に伝えたいと思っていました。

まず、授業で私が用意したのは、空の500mlペットボトル。
クラスで一番足の速そうな生徒を選び、この500mlのペットボトルになるべく早く満杯の水を入れて来るように伝えました。

待つこと17秒。生徒がいっぱいに水の入ったペットボトルを持ってきました。たった17秒で綺麗な水にありつける。これは生徒にとっては当たり前のことです。私たちは生まれた頃から蛇口をひねると水が出ることを当たり前のことだと思っています。まずはこの当たり前を感じてもらいました。
続いてある動画を見せました。

これはエチオピアのある女の子の一日の様子を映した動画です。
朝6時半に家を出発し、遠く離れた川に水を汲みに行きます。家に帰るとすでに時刻は午後の4時。
水を得るために1日の半分もの時間を使っているという事実を目の当たりにした生徒の表情は一気に変わりました。

普段下を向いて浮かない顔つきをしている生徒たちも、突き刺すような、鋭く集中した視線を私に向けます。言葉に上手く表すことはできませんが、その瞬間授業に命が吹き込まれ、呼吸をし始めたように感じました。

脳に汗をかく授業を目指して

授業力はまだまだで、毎日失敗続きですが、教育実習の時に教わった「脳に汗をかくくらい考える授業」を目指してこれからも授業研究を続けていこうと思います。

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