自信を持ちたいなら上手に諦めなさい

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後藤 智

経営学の研究者。専門はデザインマネジメント。デザインシンキング、エンジニアシンキング、マネジメントシンキング、アートシンキングの違いと使い所を研究している。この観点から学校教育に対する思うことを書いていきます。

デザイナーという職業は、様々な専門家と横断的に仕事をする珍しい職種です。

経験豊富で、自信を持ったデザイナーは製品企画から技術開発、マーケティング、営業、ビジョン創造等(社内の制服のデザインなんて仕事も)、企業活動のほぼ全てに携わります。そのため、広範囲の知識を持ちます。

ただ、それぞれの専門分野は専門家に任せざるを得ません。さすがに、広範囲を全て深く掘り下げることは不可能ですので。そのため、経験豊富でデザイナーは自分がやるべきことと、やる必要がないことの線引きを常に考えます。

自信を持つには?

そんな前置きをした上で、ある人が私にこんなことを言いました。
「私は自信が足りない。もっと勉強して、全てを手に入れると自信が持てるはずだ!」と。
このように考える人は少なくないのではないかと思います。これが正しいかどうかなんてことは、私にはわかりません。
本当にそうやって自信を持つ人もいるでしょう。

ただ、このような考えがあることを知ってほしいと思います。
それは心理学者の河合隼雄先生の著書の中で言われている、「自立は依存の上に成立する」ということです。これは、自分ができること、できないことを理解し、できないことは他人に依存することで、自分のできることをしっかりできるようになるということです。

「何でもかんでも自分でやらなければ自立ではない」と考えている人は、多分いつまでたっても自立はできません。だって、何でもかんでも自分でやることは事実上不可能なのですから。

良い諦めは大事

人に依存するということには、結局諦めが重要になります。

「諦める」という言葉にはネガティブな印象が強いと思いますが、私は良い諦めをいつも学生に強調しています。確かに、宿題の期限を諦めるというのは、悪い諦めです。それは許可しません。しかし、人間関係上においては、諦めることによってお互いに依存する、つまり多様性を認め合うことができ、最終的に自立し、自信を持てるようになるとこともあります。
ただ、全員がこれに該当する訳ではありませんので、ご注意を。

重要なことは、今の社会は「諦めてはいけない!頑張れ!頑張れ!」と強調されすぎて、「諦めてはいけないんだ」ということが多くの生徒の心に一様に刻まれている可能性があるということです。

一人一人の生徒に向き合い、もし頑張りすぎる生徒で、「何でもかんでも自分でやらなきゃ不安で、もうメンタル大変!」みたいな生徒が目の前にいたら、諦めることも大事だよ、と言ってもいいと思いますよ。

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